初心者でも簡単!美味しくて健康的なはちみつの選び方ガイド
COLUMN
投稿日:

profile
はちみつマイスター 竹中金沢にある直営店「みつばちかふぇ」の店長。美味しいもの、お酒が大好物。はちみつのことならなんでもお任せください♪
目次
はちみつの種類とは? 知っておきたい基本の違い
ネットで調べると様々な種類のはちみつが紹介されています。「純粋はちみつ」や「加糖はちみつ」などの文字を見かけますが、それぞれの意味をご存じでしょうか?ここでは、基本的なはちみつの種類と特徴をご紹介し、パッケージに書かれている表記の意味をわかりやすく解説します。
はちみつの種類と違い
純粋はちみつとは…?
「純粋はちみつ」は、その名の通り、はちみつ100%であり、砂糖や水分などの混ぜ物や精製加工等を一切していないもののみに与えられる名称です。
※別のページで純粋はちみつについて解説しております。
精製はちみつとは…?
はちみつは、蜜源となる花の種類によって、香りや味が大きく異なります。中には、独特の風味や、蜂の巣の破片などが混入している場合もあります。精製されたはちみつは、これらの異物を除去し、見た目や味を均一にする処理が施されています。この過程で、はちみつ本来の豊かな風味や栄養成分が失われる可能性があります。
加糖・加水はちみつとは…?
低品質や精製で風味が損なわれたはちみつ、甘さが足りないはちみつに糖分や水分を加えることもあります。これらは「加糖はちみつ」や「加水はちみつ」として区別されます。
非加熱はちみつとは…?
ミツバチが巣の中で作り出したはちみつを、採れたままの状態、つまり煮詰めたり加熱せずに瓶詰めしたはちみつのことです。生はちみつとも呼ばれています。
※別のページで純粋はちみつについて解説しております。
はちみつのラベルの見方:成分表示で見分けることはできる?
「純粋はちみつ」については、ラベルに「純粋」と表記されいれば、「純粋はちみつ」で規約上は間違いありません。ただ、「はちみつ」とだけ表記されている場合、判断が難しくなりました。
以前は、「純粋はちみつ」の他に、砂糖を加えた「加糖はちみつ」や、色や香りを調整した「精製はちみつ」など、さまざまな種類のはちみつがあり、それぞれ表示が義務付けられていました。しかし、平成31年の規約改定により、これらの加工はちみつについては、表示に関する明確なルールがなくなってしまったのです。
そのため、加工についての記載がラベル上にないかよく確認して、もし表記がない場合、販売者に確認の上購入いただくのがおすすめです。
はちみつラベルに書かれている情報をどう読むべきか、成分や加工方法のチェックポイントを解説します。
成分表示では、はちみつ以外の成分が含まれていないか確認しましょう。添加物や糖分が加えられている場合には、「加糖」などの表記が見られることがあります。また、非加熱はちみつをお探しの場合、販売者に確認いただくことがおすすめです。加熱して水分量を調整したはちみつは、現在の表示規制では、「はちみつ」と記載しても問題ございません。そのため、「加熱処理したはちみつ」を裏ラベルで正確には見分けることができません。
原材料名の欄には、採蜜国が記載されていることが多く、はちみつの原産地や製造者が確認できます。原産国や採蜜国の表示は品質や風味に影響するため、気になる場合はラベルで確認してみましょう。また、異なる国のはちみつがブレンドされている場合は、主要な採蜜国が記載されています。
産地で選ぶはちみつ:国産と輸入品の違いと特徴
国産はちみつの割合は、日本で流通している全はちみつの1割以下です(6-7%程度)。みつばちが飛びまわれる広い土地が必要なこと、養蜂の本場ヨーロッパとは養蜂の方法が違うこともあり、輸入はちみつのほうが多く出回ります。
国産はちみつと海外産はちみつの違いや、産地によって異なる風味や栄養価を詳しく紹介します。
はちみつには、産地や採蜜方法により風味や栄養価に違いがあります。国産のはちみつと海外産のはちみつでは、それぞれの気候や蜜源の広さが異なるため、独自の特徴が生まれます。
国産はちみつの特徴
日本では、狭いエリアにさまざな花が咲いているため、国産はちみつには「百花蜜」が多く、さまざまな花の香りや風味が一つのはちみつに凝縮されています。特に、レンゲや菜の花など、日本ならではの花々の蜜が使われることが多く、繊細で優しい味わいが特徴です。
また、日本の気候は湿度が高いため、はちみつの水分量もやや多めで、22%以下と規定されています。これにより、あっさりとした軽い風味が楽しめるものが多く、海外産に比べて爽やかな味わいが好まれる傾向にあります。
海外産はちみつの特徴
一方、海外では国土が広く蜜源が広いため、同じ花から蜜を集める「単花蜜」が多く採れるのが特徴です。たとえば、アカシアやラベンダー、オレンジなどの花から採蜜されることが多く、それぞれの花の特徴的な香りや風味をしっかりと感じることができます。
さらに、ヨーロッパやアメリカなどの国々では乾燥した気候が多いため、水分量が20%以下とされ、濃厚で粘度が高いのも特徴です。しっかりとしたコクや豊かな甘みが楽しめるため、濃厚なはちみつが好まれる方は海外産を選ぶ方も多いです。
産地ごとの風味と栄養価
はちみつの味わいや栄養価は、蜜源となる花の種類や採蜜された環境によって大きく変わります。たとえば、柑橘系の花から採れるはちみつには爽やかな酸味が感じられ、栗の花から採れるはちみつは香ばしさと独特の深みが特徴です。また、マヌカハニーのように特定の地域でしか採れないはちみつには、その土地ならではの栄養素が含まれています。
このように、国産と海外産、そして産地ごとの違いを楽しみながら、自分の好みや用途に合ったはちみつを選ぶことができます。様々なはちみつを試して、風味の違いを感じてみてはいかがでしょうか。
品質の良いはちみつを選ぶための3つのポイント
1. はちみつの粘度
高品質なはちみつは、適度な粘度が特徴です。粘度が高いほど水分量が少なく、濃厚な味わいが感じられることが多いです。ただし、アカシアなどのはちみつはもともとサラサラしているため、花の種類も考慮する必要があります。また、粘度が低く液状化している場合、加熱処理が行われている可能性があるため、加熱や精製の有無を確認したい方は粘度もひとつの判断基準としてください。
2. はちみつの香り
はちみつには、蜜源植物の香りが残っている場合があります。例えば、柑橘系の花から採れたはちみつにはさわやかな香りがあり、栗の花から採れたものは香ばしい風味が特徴です。加工や加熱が行われていないはちみつは、こうした自然の香りを楽しめます。香りが弱い場合や、はちみつ独特の香りがしない場合は、精製が行われている可能性があるため、香りも品質確認の目安にしてください。
3. はちみつの色
はちみつの色も、品質や加工度を見極めるポイントです。はちみつの色は、蜜源植物の種類によって異なり、アカシアは淡い色、栗やそばのはちみつは濃い色をしています。ただ、一般的に加熱処理をするとはちみつの色は濃くなります。本来淡い色のはちみつが濃い場合、色の変化なども確認しつつ選ぶと良いでしょう。
はちみつの用途別選び方:料理用?健康目的?最適なはちみつの選び方
はちみつを使う目的によって、おすすめの種類が異なる場合もあります。料理に使うのか、健康や美容目的で使うのかに応じて、おすすめのはちみつの選び方もご紹介します。
料理に使う場合
料理用には、比較的手頃な価格で大容量のはちみつを選ぶと便利です。加熱や加糖処理がされているものでも、風味が安定しているため、煮物や焼き菓子などに安心して使えます。また、料理には、やさしい甘みのあるアカシアやクセの少ないレンゲなどが使いやすいでしょう。特に中華料理やドレッシングなど、少量で甘味を加えたい場合にもおすすめです。
健康や美容目的で使う場合
健康や美容のために摂取する場合は、なるべく自然の栄養素が豊富に残っている「非加熱はちみつ」や「生はちみつ」を選ぶのがおすすめです。これらは栄養成分が損なわれていないため、健康維持や美容サポートに効果的とされています。また、果物やヨーグルトに合わせてそのまま食べたり、ドリンクに入れても栄養価をしっかり摂取できます。毎日の健康習慣にぴったりの選択です。
用途に合わせたはちみつを選ぶことで、料理や健康管理をより楽しめます。目的に応じて最適なはちみつを見つけて、はちみつの多彩な魅力を感じてみてください。