はちみつ選びの新常識:健康と美味しさを両立するはちみつの選び方
COLUMN
投稿日:

profile
はちみつマイスター 竹中金沢にある直営店「みつばちかふぇ」の店長。美味しいもの、お酒が大好物。はちみつのことならなんでもお任せください♪
はちみつは甘味料として長い歴史があります。人類がはちみつを使用した最初の形跡は、紀元前8000年ごろのスペインの壁画に描かれているそうで、古代エジプトやメソポタミア文明にもはちみつが登場したと考えられています。古くから親しまれ、健康維持や美容に効果があるとされているはちみつ。今回はどのような効果があると言われいるかをご紹介します。
目次
はちみつを摂取することが良いと考えられている効果
抗酸化作用
人間の老化には「酸化」が関わっています。細胞内で発生する活性酸素が増えると、細胞を攻撃し損傷させるため、体は老化に向かいます。はちみつにはビタミンCやフラボノイドなどの「抗酸化」物質が含まれていて、呼吸や代謝で自然に生成される活性酸素を中和し、老化を食い止める効果があるといわれています。
抗菌・抗ウイルス作用
はちみつには抗菌作用があるともいわれています。はちみつに含まれるグルコースオキシターゼという酵素から過酸化水素が生成され、その物質が抗菌・殺菌作用を発揮して菌の繁殖を防ぐと考えられています。
消化を助ける効果
はちみつはオリゴ糖とグルコン酸を多く含んでいます。これらは善玉菌を増やす効果があり、悪玉菌の増殖を抑制するといわれています。そのため腸内環境を整え、胃腸の健康を保つ効果が期待されています。
エネルギー補給
はちみつは単糖類(ブドウ糖と果糖)が豊富で、体内に素早く吸収されてエネルギーに変換されます。水分が多いため、砂糖に比べて同量あたりのカロリーが低く、ダイエット中やすぐに栄養補給したいときにもおすすめです。
睡眠改善
はちみつに含まれる糖分は血糖値を安定させ、睡眠をつかさどるホルモンであるセロトニンの分泌を促進する効果があります。睡眠前にはちみつを少量摂るのもおすすめです。
はちみつは多くの健康効果が期待できるため、さまざまなシーンで利用されています。はちみつは多種多様な花を蜜源とするため、味も異なり、料理などにも広く使われています。
色と味わいで選ぶ:はちみつの種類とその風味の違い
はちみつの色の違いは、採蜜した植物の種類などさまざまな要因によって変化します。色が濃くなるほど、ビタミンやミネラル、鉄分などを多く含むといわれています。ここでは、代表的な植物のはちみつの特徴をご紹介します。
アカシア
正確には「ニセアカシア(ハリエンジュ)」の花から採取するはちみつです。透明感のある明るい黄色が美しいアカシア蜜。テクスチャーはさらっとしており、はちみつ特有の結晶があまりできないため、そのままでも美味しく食べられます。クセがなく、あっさりした味で、上品な風味と美しい色から「はちみつの女王」とも呼ばれています。どんな人にも、どんな用途にも好まれやすいはちみつです。
クローバー(シロツメクサ)
クローバー(シロツメクサ)は北海道の広大な牧草地などで採取される蜜で、アカシアに次いでクセがないといわれています。すっきりとした味わいで、どんな料理にも合います。日本国内ではレンゲに劣るものの、世界的にはクローバー蜜の生産量が最も多いようです。
レンゲ
淡い黄色が美しいレンゲ蜜。国産のはちみつの中では最も親しまれているかもしれません。ほんのりとしたコクと上品な風味で、アカシアと同じくクセがなく食べやすいはちみつです。アカシア、クローバー、レンゲはいずれもマメ科の植物で、マメ科植物のはちみつは一般的に色が薄く、淡い黄色でさらさらしたテクスチャーが特徴です。
そば
そばのはちみつは重厚で、濃い茶色や黒に近い褐色が特徴です。クセが強く、個性的な味わいが特徴です。ヨーロッパでは人気がありますが、日本ではあっさりとした風味が好まれるため、マメ科植物の蜜ほどの人気はありません。鉄分やルチンなどのミネラル分を多く含むため、色や味が濃くなります。少し苦味を感じるため、そのまま食べるより、濃い味付けの料理のソースや香ばしさをプラスしたいお菓子などに適しています。
栗
栗のはちみつもそば蜜と同様、濃い褐色で味も濃厚、風味豊かなはちみつです。ビタミンB1などのミネラル成分を多く含むため色が濃く、ほのかに栗を感じる香ばしい味わいが魅力です。
マヌカハニー
キャラメルのような濃い色をしたマヌカハニーは、少し特別なはちみつです。ニュージーランドにしか生えない「マヌカ」という樹木の花から採取されます。一般的なはちみつに比べて高い抗菌力や抗炎症作用があるといわれ、健康食品として注目されています。抗菌成分「メチルグリオキサール」が一般的なはちみつの70倍含まれていることから、近年話題になっています。ただし、食味は少し苦く、食感もざらつきがあるため、初めて食べる人には好みが分かれるかもしれません。
用途別に選ぶ:料理や美容に適したはちみつとは?
料理に使う場合と、健康や美容目的で使う場合では、おすすめのはちみつが異なります。加工方法や採蜜植物の違いなどをよく見極めて選びたいですね。
料理に使う場合
はちみつには、それぞれ独自の風味や味があります。料理に使う場合は、あまり風味に特徴がないものがおすすめです。風味が強いものは料理の味を邪魔してしまうことがあるためです。
また、はちみつ漬けのように大量に使ったり、煮物などで砂糖の代わりに使う場合には、大容量タイプのはちみつを常備しておくと便利です。
当サイトでは、はちみつを使ったレシピもご紹介していますので、ぜひ一緒にチェックしてみてください。
健康や美容目的で使う場合
はちみつの栄養素は熱に弱く、加熱すると本来の栄養素が失われてしまいます。そのため、健康や美容目的で利用する場合は「非加熱はちみつ」を選び、そのまま摂取するのがおすすめです。あっさりとした風味のアカシアやレンゲのはちみつは、そのままでも食べやすいので特におすすめです。ドレッシングやヨーグルトなどに直接加えることで、180種類あるといわれる栄養素をより多く体内に取り入れることができます。また、おやつ代わりにそのまま舐めるのも良いとされています。
非加熱はちみつについて詳しく説明した記事もございますので、ぜひご覧ください。